カスタム電源開発・設計 豆知識
2022.07.17
入力逆接続回路について解説

入力源には、交流(AC)入力電源と直流(DC)入力電源回路があります。交流には、極性がありません(厳密には極性がありますが、通常問題にはなりません)。交流入力の場合、プラスマイナスどちらを接続しても動作致します。
しかし、直流入力電源はプラスマイナスの接続を間違えると、動かないばかりか、内部破損を起こす可能性があります。そこで逆接続防止の回路部品(ダイオード)を追加して、電源内部機器の焼損や破損の発生を回避します。
(1)ブロック図
(2)入力逆接続回路の種類
ダイオード並列方式

回路に並列でダイオードを追加することで、電源のプラス、マイナスを間違えて接続しても、ダイオードの順方向電圧VFで抑える事で保護します。
・メリット
①回路が簡単
②低コスト
・デメリット
①逆接続した場合、ヒューズ断となり修理が必要
ダイオード直列方式

回路に直列にダイオードを順方向に追加します。そうすることで、電源のプラス、マイナスを間違えて接続しても、電流は流れません。
但し、この方法は、常時電流を流す為、ダイオードの順方向による損失を考慮する必要があります。
・メリット
①逆接続した場合でもヒューズ断しない為、修理が不要。
②瞬断時、コンデンサから外部への供給を断出来る
・デメリット
①常時損失が発生
全波整流(ブリッジ整流)回路方式
電源と負荷の間に、ブジッジダイオードをいれることで、常に負荷側には正しい極性の電圧が掛かります。
しかし、この場合には、ダイオードが2個直列に入る事になるので、負荷側の電圧が約2V~4V低下することになります。
・メリット
①交流、直流どちらにも対応
・デメリット
①常時損失が発生
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