カスタム電源開発・設計 豆知識
2023.10.18
磁束によるノイズの影響を回避するパターン設計
電源基板設計では、ノイズやパターンの引き回し、最適部品の選定、部品間の配置とパターンの関係など様々な要素に注意が必要になります。今回は基本的な内容ではありますが、様々な点を注意しながら設計するあまり、疎かになることがある「磁束の影響によるノイズ発生」に関して解説します。
一般的にコイルやトランスに電流が流れると磁束が発生します。磁束は電流に比例しますので、大電流であればあるほど近くにある信号ラインは影響を受けやすくなります。それではどういったことに注意して対策していけばよいのでしょうか。
【対策前 問題点】
上記では、コイルが制御ライン上に実装されてしまっています。これでは磁束によるノイズが制御ラインに乗ってしまい、誤動作を起こしかねません。
【対策後 改善点】
対策として、コイルなど磁束を発生させる部品の直下には制御ラインは引かないようにすることが挙げられます。具体的には、①制御ラインと部品の間に距離を出して、部品の下に配線をしない、②信号ラインの信号層を変え、隣り合わせにならないように配線することが重要です。また、コイルに留まらず、大電流ラインと制御ラインについてもできるだけ距離を取るように設計を行いましょう。
今回述べたことは電源の基板設計においては基本中の基本となりますが、十分な基板サイズが確保できず実装スペースが限られている基板では、入念にチェックを行わないと見落としてしまう可能性があります。アイガ電子工業では、カスタム電源の豊富な開発実績があり、社内で電源基板のパターン設計まで行っています。電源基板のパターン設計の委託先をお探しの方がいらっしゃいましたら、お気軽に当社にご連絡ください。
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