カスタム電源開発・設計 豆知識
2022.07.12
フィルタ回路について解説
![](https://power-supply-design.com/cms/wp-content/uploads/2022/07/c1a38ed8e370d703b712e066fba24ad3.jpg)
電源回路におけるフィルタ回路とは、入力ラインの電導ノイズを除去する回路のことで、コモンモードコイルとコンデンサで構成されています。
(1)ブロック図
(2)フィルタ回路実装状態
(3)フィルタ回路構成例
(4)対策するノイズ
フィルタ回路は、以下のノイズを除去する役割を担います。
① ノーマルモードノイズ
ノイズ源が信号源に対して直列に加わり、信号ラインを通して負荷に伝達されるノイズ
②コモンモードノイズ
信号ラインと接地間にノイズ源が存在し、2本の信号ラインに伝達されるノイズ
(4)フィルタ回路部品の役割
フィルタ回路を校正する部品の役割は以下です。
①コモンモードコイル
スイッチング電源自身のノイズが入力ラインへ伝導することを抑えます。
②Xコンデンサ
入力ライン間のノイズを吸収します。また、コモンモードコイルと協調して電源自身のノイズが入力ラインへ伝導することを抑制します。
③Yコンデンサ
コモンモードコイルと協調して電源自身のコモンモードノイズをグラウンドへバイパスします。
関連する豆知識一覧
-
電源設計の基礎
2024.06.25
安全性・信頼性に優れた産業用カスタム電源を 開発・設計するために
電力・水道・鉄道・建設機器・理化学機器など産業用のスイッチング電源には、民生用の電源と比較し、機能性はもちろんのことながら、確かな安全性・信…
-
電源設計の基礎
2024.05.28
力率改善回路の方式
スイッチング電源の性能・スペックを表現する指標としては、入力電圧範囲・出力仕様・効率・力率・チャンネル数・電源サイズ・適用規格をはじめ、様々…
-
電源設計の基礎
2024.05.22
スイッチング電源における効率と力率の違い
スイッチング電源の性能・スペックを表現する指標としては、入力電圧範囲・出力仕様・効率・力率・チャンネル数・電源サイズ・適用規格をはじめ、様々…
-
電源設計の基礎
2023.11.14
はんだ上がりを考慮したパターン設計のポイント
ディスクリート部品などの端子挿入を行う場合、A面(部品面側)へ7割以上、はんだが上がっていることが良品の条件とされています。しかしながら、長…
-
電源設計の基礎
2023.09.22
高密度実装を行う電源基板における発熱対策
昨今、搭載される電源基板の実装は年々高密度化が進んでいます。 これにより、電源基板への発熱対策はより一層求められるようになっています。…
-
電源設計の基礎
2023.08.30
開発期間を短縮し、後戻りを無くす電源基板設計のポイント
昨今の電子機器マーケットでは,顧客ニーズの変化や市場環境の変化が非常に速く,電源基板設計メーカーには、”製品の開発期間を短縮すること”が求め…