カスタム電源開発・設計 豆知識
2023.08.29
電源出力パスコンの接続方法
パスコンとは、バイパスコンデンサの略で、電源とGND間に接続され、ノイズ電流をGNDにバイパスすることからバイパスコンデンサという名前が付けられています。そんなパスコンですが、①電源電圧の安定化、②高周波ノイズの吸収、といった2つの役割があります。つまり、スイッチング動作で生じる出力電圧の変動を平滑化する働きを担うのです。
一般的にパスコンの容量は一般に数μFから数十μF程度ですが、応答性を高めるため、下図のように小容量のコンデンサを並列に接続する場合があります。しかしながら、並列に配置すると、ノイズが出力/負荷側に回り込み、誤動作へとつながる恐れがあります。
こういった場合、下図のように出力直近に配置することでノイズが出力/負荷側に回り込むのを防止し、誤動作を防ぐことができます。但し、出力接続のコネクタなどの挿抜を行う部品の近くに実装することで面付け部品の半田クラック発生の恐れがある為、基板の反り・たわみについては、部品メーカーの推奨実装を確認し(反り防止金具を追加する等)注意する必要があります。
関連する豆知識一覧
-
パターン設計提案
2023.12.21
セミカスタム電源の活用により、コストダウン・開発期間短縮を実現
皆様は、セミカスタム電源について、詳しくご存じですか?セミカスタム電源とは、標準電源に対し、周辺回路等を追加するなどして、仕様や特性を変更し…
-
パターン設計提案
2023.10.18
磁束によるノイズの影響を回避するパターン設計
電源基板設計では、ノイズやパターンの引き回し、最適部品の選定、部品間の配置とパターンの関係など様々な要素に注意が必要になります。今回は基本的…
-
パターン設計提案
2023.10.18
大電流ラインのノイズ対策
スイッチング電源の大電流ラインのパターン設計は、大電流をON/OFFさせるため、ノイズ源になりやすく、特に注意が必要になります。今回はスイッ…
-
パターン設計提案
2023.09.21
電源入力とスイッチングラインの位置関係
例えば、電源入力部とスイッチング部を近接した場合、スイッチングノイズが入力インターフェースに漏洩し外部設備及び規格試験に影響を与える可能性が…
-
パターン設計提案
2023.09.21
出力フィードバックラインの接続方法
ノイズを低減するための、出力フィードバックの検出ラインの接続方法は、パターン設計の基礎中の基礎です。しかしながら、現場では、意外とこの検出ラ…
-
パターン設計提案
2023.08.29
電流バランスを考慮したアルミ電解コンデンサの配置
産業用のスイッチング電源には、瞬停回路の保持用に、アルミ電解コンデンサを使用します。しかしながら、電解コンデンサの設置位置・パターン幅を誤る…