カスタム電源開発・設計 豆知識
2022.10.21
起動停止回路について解説
当ページでは、起動停止回路について解説します。
(1)回路ブロック
(2)起動停止回路の役割
スイッチング電源起動時には入力電圧を検出し、規定電圧以上となった場合スイッチング制御回路へ動作開始の指令を出します。停止時には入力電圧が規定電圧以下となった場合にスイッチング制御回路へ動作停止の指令を出します。
起動停止回路がスイッチング制御回路の動作、停止をコントロールしています。
(3)起動停止回路の種類
ここからは、起動停止回路の種類について解説します。
バラック回路方式
・メリット
①部品製造中止時の代替が容易
②起動・停止の検出電圧変更が可能
③起動検出後の遅延時間が任意に設定可能
・デメリット
①回路が多い(高コスト)
②バラつきが大きい
専用IC方式
・メリット
①回路が容易(低コスト)
②バラつきが少ない
・デメリット
①部品製造中止時の代替が困難
②起動・停止の検出電圧変更が困難
③起動検出後の遅延時間はICのスペックによって決まる
カスタム電源では起動、停止の検出電圧や遅延時間が任意で決めることが出来るため、バラック回路方式を採用することが多いです。パッケージやスペックによっては専用ICを採用することもあります。
設計時には、起動と停止検出の電圧は、必ず起動電圧が高くなければならない点に注意が必要です。
関連する豆知識一覧
-
電源設計の基礎
2023.11.14
はんだ上がりを考慮したパターン設計のポイント
ディスクリート部品などの端子挿入を行う場合、A面(部品面側)へ7割以上、はんだが上がっていることが良品の条件とされています。しかしながら、長…
-
電源設計の基礎
2023.09.22
高密度実装を行う電源基板における発熱対策
昨今、搭載される電源基板の実装は年々高密度化が進んでいます。 これにより、電源基板への発熱対策はより一層求められるようになっています。…
-
電源設計の基礎
2023.08.30
開発期間を短縮し、後戻りを無くす電源基板設計のポイント
昨今の電子機器マーケットでは,顧客ニーズの変化や市場環境の変化が非常に速く,電源基板設計メーカーには、”製品の開発期間を短縮すること”が求め…
-
電源設計の基礎
2023.08.30
スイッチング電源が、現場でとたんに動かなくなる、たった一つの理由
これまでは産業用カスタム電源 開発・設計Naviでは、どうやってスイッチング電源を開発れば、高効率化やノイズの低減が実現できるか、そのための…
-
電源設計の基礎
2023.07.01
スイッチングノイズ対策の基本
電源におけるスイッチングノイズは、多かれ少なかれ、必ず発生するものです。基本的にはスイッチング周波数が高ければ高いほどノイズが出やすく、低い…
-
電源設計の基礎
2023.05.23
スイッチング電源における効率の最適化
スイッチング電源において効率とは、入力電力に対する出力電力の割合を言い、効率は高い程スイッチング電源内部での発熱が少ないことを指します(パッ…