カスタム電源開発・設計 豆知識
2022.10.07
熱設計について解説

当ページでは、熱設計について解説します。
(1)回路ブロック
(2)熱設計の目的
スイッチング電源は、機器の小型化や高性能化にともなって製品設計段階で熱対策を盛り込むことが必要となっています。入力電圧/電流を必要な出力電圧/電流に変換する際に、変換効率により内部損失が発生し、部品が発熱します。
発熱部品として、半導体、トランス、インダクタンス、抵抗といろいろ部品が発熱しますが、特にスイッチング電源では、ダイオード/トランジスタの熱対策を行い、安定動作できるよう設計します。
(3)熱設計の方法
ここからは熱設計の方法を説明します。
半導体の熱設計
オームの法則を考慮して、検討する必要があります。
発熱源・・・電流源
熱抵抗・・・抵抗
温度 ・・・電圧
例えば、TO-220の熱抵抗は一般的に62.5℃/Wなので、限界は1W程度になります。
すると、接合部温度は下記式にて求める事ができます。
Tj=Ta+P(Rth(j-c)+Rth(c-f)
+Rth(f-a))
製品の実装方向
製品の実装を理解していないと目的の効果を得られない為、お客様がどのような実装をするのかは設計前に事前に確認しておく必要があります。
筐体の熱設計
筐体においても値段と放熱効果を加味して決定します。筐体自体をヒートシンクとして使用することもあります。
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