カスタム電源開発・設計 豆知識
2022.05.10
電源の種類
電源の種類
今回は、電源の種類についてご説明します。
電源の代表的な回路方式は、以下となります。
1)チョッパ方式
2)コンバータ方式
①フライバックコンバータ方式
②フォワードコンバータ方式
③アクティブクランプフォワード方式
④プッシュプル方式
⑤ハーフブリッジ方式
⑥フルブリッジ方式
1)チョッパ方式
トランスを使用しないために小型にできるという点と、構成により電圧の降圧、昇圧を行うことができ、出力1W未満~数W程度まで使用可能です。
【回路】
【特徴】
№ | 項 目 | 評 価 |
1 | 部品数 | ◎ |
2 | 出力容量 | × |
3 | 効率 | △ |
4 | 回路構成 | ◎ |
2)コンバータ方式
①フライバックコンバータ方式
回路構成が最もシンプルで部品数が少ないが、大容量には不向きで小容量(目安300W以下)で使用されます。
【回路】
【特徴】
№ | 項 目 | 評 価 |
1 | 部品数 | ◎ |
2 | 出力容量 | △ |
3 | 効率 | △ |
4 | 回路構成 | ◎ |
②フォワードコンバータ方式
回路構成がシンプルで制御も安定にでき、小容量~大容量(目安数100W)まで使用可能です。
【回路】
【特徴】
№ | 項 目 | 評 価 |
1 | 部品数 | ◎ |
2 | 出力容量 | △ |
3 | 効率 | △ |
4 | 回路構成 | ◎ |
③アクティブクランプフォワード方式
回路構成はシンプルですが、制御回路が複雑とります。小容量~大容量(目安数100W)で高効率化が可能です。
【回路】
【特徴】
№ | 項 目 | 評 価 |
1 | 部品数 | 〇 |
2 | 出力容量 | △ |
3 | 効率 | ◎ |
4 | 回路構成 | 〇 |
④プッシュプル方式
スイッチング素子を2個使用し、交互に動作させる方式で、トランスの偏磁に注意が必要です。(目安1kW)
【回路】
【特徴】
№ | 項 目 | 評 価 |
1 | 部品数 | △ |
2 | 出力容量 | 〇 |
3 | 効率 | 〇 |
4 | 回路構成 | △ |
⑤ハーフブリッジ方式
プッシュプル方式と同様であるが、スイッチング素子にかかる電圧が半分になります。トランスの偏磁には注意が必要(目安1kW程度)です。
【回路】
№ | 項 目 | 評 価 |
1 | 部品数 | △ |
2 | 出力容量 | 〇 |
3 | 効率 | 〇 |
4 | 回路構成 | △ |
⑥フルブリッジ方式
回路構成は複雑になりますが、スイッチング素子の電圧が半分になり、大容量(目安数kW)向けの電源方式です。トランスの偏磁やスイッチング素子の貫通電流に注意が必要です。
【回路】
【特徴】
№ | 項 目 | 評 価 |
1 | 部品数 | × |
2 | 出力容量 | ◎ |
3 | 効率 | 〇 |
4 | 回路構成 | × |
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