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カスタム電源開発・設計 豆知識

2025.07.18

電源の起動・停止を安定させる設計のポイント

産業機器の電源設計において、起動・停止時の不安定な出力は、誤動作を引き起こす大きなリスクとなります。

「出力電圧が振れて誤動作が起こってしまった…」
「機器の制御ができなくなってしまった…」

こうしたトラブルを防ぐためには、起動・停止時の出力電圧を安定させる設計が必要です。

そこで今回は、「電源の起動・停止を安定させる設計のポイント」と題し、安定性のある産業用電源を製作する上で注意すべき点について解説します。

 

起動・停止時に出力電圧が不安定になる理由

電源の起動・停止時に出力電圧が変動する要因はいくつかありますが、その中でも代表的な要因として挙げられるのは、出力リップル電圧の増大です。

特に古い電源では「入力電圧が設計上の下限を下回っても動作を続けてしまう」ことがあります。この場合、入力電圧が徐々に低下すると電源の内部制御が追従できず、出力電圧にリップルが発生します。

その結果、出力電圧が一時的に大きく振れ、誤動作や制御不能といった事態を招くことがあります。

このような事態を防ぐためには、起動・停止時に出力電圧を安定させるための電源設計が不可欠です。

 

電源の起動・停止を安定させる設計のポイント

起動・停止時に出力電圧を安定させるための対策の一つが起動停止回路です。

起動停止回路とは入力電圧があらかじめ設定された範囲に達したときだけ、電源をON/OFFさせる制御回路です。

入力電圧を検出し、規定電圧以上となった場合に動作開始の指令を出します。逆に入力電圧が規定電圧以下となった場合にスイッチング制御回路へ動作停止の指令を出します。

起動停止回路

図1. 瞬停回路

起動停止回路により、安全に動作できる電圧範囲内でのみ動作させることで出力の乱れや誤動作を未然に防ぐことができます。

>>起動停止回路についてはこちら

 

セミカスタム電源でコストと納期を抑える

起動停止回路を導入する場合、必ずしも完全カスタム電源を製作する必要はありません。標準品に周辺回路を追加したセミカスタム電源でも対応可能です。

例えば、標準電源のリモートコントロール端子を利用し、電圧監視回路を組み込むことで、以下のような制御が可能です。

①電源入力側の電圧を監視し、規定以上でリモート端子に信号を送り電源を起動(ON)

②電圧が規定以下になると、出力を停止(OFF)

このように、セミカスタム電源を活用すれば、開発コストや納期を抑えながら、安定性の高い電源を実現できます。

>>当社のセミカスタム電源 設計・開発サービスはこちら

 

信頼性の高い電源の開発・設計なら、産業用カスタム電源開発・設計Naviまで

今回は出力電圧を安定させる電源設計のポイントをご紹介いたしました。当社では、安全性・信頼性を担保した開発・設計を行うだけでなく、お客様のご要望に沿ったカスタム提案をすることが可能です。

実際にこれまで、電力・水道・鉄道などのインフラ設備から建設機器・理化学機器をはじめとした産業機器まで、幅広く業界向けに、カスタム電源およびセミカスタム電源を開発した実績がございます。今回ご紹介したように、安定性を高めるための回路提案や設計提案も行っておりますので、カスタム電源・セミカスタム電源の開発・設計委託先をお探しの皆様、是非当社にお任せください。

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