カスタム電源開発・設計 豆知識
2023.11.14
はんだ上がりを考慮したパターン設計のポイント
ディスクリート部品などの端子挿入を行う場合、A面(部品面側)へ7割以上、はんだが上がっていることが良品の条件とされています。しかしながら、長寿命・高性能の電源を求めるとなると、A面(部品面側)へ完全にはんだが上がっているような電源基板が望ましいといえます。当記事では、上記のような高品質の電源基板を求める場合に参考いただきたい”はんだ上がりを考慮したパターン設計のポイント”をご紹介します。
まず、そもそもなぜ「はんだが上がらない…」といった問題が起きるのでしょうか。具体的な要因としては、①リード部品の接触部から熱が逃げてしまう、②実装時の条件が最適でない(フラックス塗布量・コンベアの速度・プレヒートの温度・はんだの温度・はんだの噴流の高さ など)が挙げられます。
もちろん、実装時の対応も大事ですが、設計段階での工夫も併せて重要です。では、どのような点を考慮して設計すべきなのでしょうか。大きく注意すべきことは、2点であり、物理的な対策と熱を逃がさない対策となります。
1.物理的な対策
大きすぎても、小さすぎてもはんだが上がりづらい原因となるため、適正なはんだフィレットが形成できる最適な穴径に設定する必要があります。
2.熱を逃がさない対策
リードが太い部品、フィン取り付けのパワー半導体の場合は、熱が逃げやすい傾向にあります。熱を逃がさないためには、
①B面のパッドを大きくする
②ランドを丸穴→長穴へ変更する
③スルーホールの周りにスリット入れる
などの対策が有効です。
当記事では、基礎的な情報をお伝えさせていただきましたが、「はんだが上がらない…」など困った場合には、産業用カスタム電源開発・設計.comを運営するアイガ電子工業に、是非ご相談ください。当社では、もちろん、はんだ上がりを考慮したパターン設計が可能であり、長寿命・高品質な電源をご提供することが可能です。
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